日本ではおなじみの「柴犬

最近では面白可愛い画像や動画が度々ネットで話題になりますが、その愛くるしい姿に癒される方も多いのではないでしょうか。

そんな人々を幸せにしてくれる日本古来の犬種「柴犬」のお話です。

縄文時代から日本人と共に

ご存知の方も多いかと思いますが、柴犬は天然記念物として指定されている日本犬注1の中で最古の犬種とされています。(世界で見ても非常に古い歴史を持つ犬種とも言われています)

起源についてはっきりしたことはわかっていませんが、形態的な特徴から祖先は南方の東南アジアで、南方系の縄文人に連れられ、日本列島へ渡っていったのではないかと言われています。

縄文時代の遺跡注2から、丁寧に埋葬された跡や人の胸あたりに寄り添う形で埋葬された跡が見つかるなど狩猟・採集を基盤としていた縄文人にとって、犬は必要不可欠な存在であり、とても大切にされていたことがわかっています。

注1天然記念物指定の日本犬…
秋田犬(大型犬)、甲斐犬(中型犬)、紀州犬(中型犬)、柴犬(小型犬)、四国犬(中型)、北海道犬(中型犬)の6種

注2日本最古の犬…
愛媛県久万高原町の上黒岩岩陰遺跡から出土(2008年現在)

名前の由来と「柴犬」の読み方

柴犬という名前の由来は、

  • 「柴」は小ぶりな雑木を指し、雑木を巧みに潜り抜けて猟をしていたから
  • 赤褐色の毛色が枯れた柴の色に似ているから
  • 日本古来の言葉で「小さいもの」を表す「シバ」から

という3つの説が代表的のようです。

個人的には日本古来の言葉から~という説が、柴犬への愛がにじみ出ているようで好きですが、正確な由来は未だわかっていません。

さて、「しばいぬ」と「しばけん」両方の読み方がありますが一体どちらが正しいのでしょう。皆さんはどちらで読まれていますか?筆者はずっと「しばけん」だと思っていましたが…

正しくは「しばいぬ」なのだそうです。

昭和11年に登録された公式の読み方は「しばいぬ」で、英語名でも「Shiba Inu」 。「しばけん」も間違いではなく、どちらの読み方でも良いとされていますが、 より柴犬が好きな方、実際に飼っている方は「しばいぬ」と読む傾向にあるそうですよ。

実は大まかに分けて2種類いる

柴犬の特徴として しっかりと均整のとれた体型、ピンと立った耳、くるんと巻いた尻尾がイメージしやすいですが、実は大まかに分けると「たぬき顔」と「きつね顔」の2種類に分けられることはご存知でしょうか?

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  • たぬき顔
    頬が張ってまんまる顔。ガッシリとした体型。鼻が短い。現在の主流となっている。
  • きつね顔
    面長で細い顔。引き締まった細身の体型。鼻が長い。たぬき顔より歯が若干大きい。日本犬の祖先、縄文犬に近い風貌なため「縄文柴」と呼ばれている。

比較するとこんな違いがあります。

お顔の違いは単なる個性の差とばかり思っていましたが、実は違ったのですね!たぬき顔=現代風、きつね顔(縄文柴)=古風、といったところでしょうか。柴犬、奥が深いです。

毛色は、赤・黒・白・胡麻の4種類

茶色い毛並みのイメージが強いですが、全部で4種類あります。

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  • 赤毛
    柴犬の代表的な毛色。全体の8割がこの色。
  • 黒毛
    ワイルドな毛並みとマロ眉が特徴。最近人気が出てきている種類。
  • 白毛
    CMなどで有名になったが、展覧会では認められていない毛色のため稀少。
  • 胡麻
    赤・黒・白がほどよく混じった毛色。滅多にお目にかかれないとてもレアな種類。

胡麻はとても珍しい毛色で、子犬のうちは胡麻でも成長すると赤毛になることも多いのだとか。成犬で見かけた方はラッキーかも?

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縄文時代より、私たちの暮らしに寄り添って存在していた柴犬ですが、明治時代に一度、西洋化に伴う洋犬との異種交配や戦中戦後の混乱により、日本犬は絶滅の危機に陥ってしまいました。
このままでは…と愛好家が立ち上がり、昭和3年「日本犬保存会」を設立。そして昭和11年に柴犬を含む日本犬6種が「天然記念物」に指定されました。

現在こうして柴犬と一緒に楽しい時間が過ごせるのは、愛好家の方々の熱心な保護活動があったからこそなのです。
時代が変わっても多くの人々に愛され続けている柴犬。これからも変わらず大切に見守っていきたいですね。