正座が「正しい座り方」としての歴史が以外にも浅いことをご存知でしょうか?今回はその「正座」についてのお話です。

なんと古来より基本の座り方は「さまざま」だった!

江戸時代初期ごろまでは、礼儀正しいお侍さんも、おしとやかな女の人も、かの有名な茶人も、普段の座り方の基本はもっぱら胡坐(あぐら)でした。ほかにも立てひざや横座りなど状況によって座り方を使い分けていましたが、ご飯を食べる時も、みんなでお茶を飲みながらおしゃべりする時も、どうやら胡坐を組んで過ごしていたようです。

特に武士に関しては、いざという時に戦わなければなりませんので、刀を抜いてすぐ戦闘状態に入れる座り方が必然でした。足が痺れて動けない…なんてことがあったら一大事ですからね。

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では、正座は存在しなかったの?

というと、そうではなく。座り方そのものはどうやら江戸時代以前からあったようです。しかし「正座」という名前はなく「かしこまる」「つくばう」などと呼ばれ、神事や身分の低い者が主君の前で座るなど、特別な時のみに使われていたものだったそうな。

意外なようにも聞こえますが昔はそれほど正座を重要視していなかったのです。

日本人がこぞって正座するようになったのは?
  • 茶道が日本に普及し、狭い空間に小さくに座る必要があったため正座をするように。そして、茶道の作法が食事の作法になり定着していった説。
  • 江戸時代、参勤交代の大名たちに恭順の姿勢を取らせるため将軍に向かって正座をする事が決められ、それが武家社会全般に定着していったという説。

と諸説あり、実際に「正座」という言葉が出てきたのはなんと明治維新以降のこと。新政府が正座の習慣がなかった庶民に正式な作法として勧め、教育でも取り入れたことが始まりらしいです。(その頃一般家庭に畳や座布団が普及し「正座がしやすい環境が整ってきた」ということも要因のひとつらしいですが)

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遥か昔から日本人はきっちり膝を揃えて座っていたイメージが強いですが、実はそうでもなく、正しい座り方としての「正座の歴史」はなんと100年ちょっとの出来事なのでした。ちょっと意外ですよね。

現代では敬遠する傾向もありますが、正しい座り方をすればツライ痺れも回避できますし、なにより心も体も引き締まってなかなかいいものです。マナーの一つとしてだけでなく日本独特の文化として大切にしていきたいですね。