皆さんは家族に内緒でへそくり貯めていますか?

厳しいご時世ですから大きな貯金は難しかったりしますが、コツコツと貯金するへそくりなら密かに楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。

今回は、あったら嬉しい!バレたら悲しい?「へそくり」の語源についてのお話です。

そもそも、へそくりとは?

へそくり‐がね【×臍繰り金】
《綜麻 (へそ) を繰ってためた金の意。人間のへそと混同して「臍」の字を当てたもの》主婦などが、他人に知られないように少しずつためた金。へそくり。

goo辞書
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/199000/m0u/

お気づきでしょうか。
なんとへそくりの「ヘソ」は、お臍(へそ)のことではなかったのです!

お臍ではなく綜麻(へそ)

綜麻とは「古事記」にも登場する古い言葉で、機織り機にかけられるよう糸巻きにした麻糸のこと。麻糸をかける道具を「綜(へ)」といい、綜にかけた麻糸を操り巻き取る作業のことを「綜麻繰」と呼びました。

この麻糸を紡ぐ作業がかつて農村の女性たちの内職であり、それで得たわずかな賃銭をコツコツ貯めていくことをいつしか「綜麻繰り金」と呼ぶようになりました。こうして現代のへそくりになったのです。

他にも由来は諸説ありますが、この「綜麻説」が一番有力のようです。

ここで、へそくりにまつわる歴史をひとつご紹介します。

山内一豊の妻、へそくりで夫の出世を支える

hesokuri2camera-icon『今古誠画 浮世画類考之内 天正三年之頃(山内一豊)』 小林清親

戦国末期の武将、山内一豊(やまうち かつとよ)の妻・千代がへそくりで夫の出世を支えたという有名な逸話が残っています。

信長・秀吉・家康に仕え、どの主君にも気に入られたという山内一豊は、土佐二十四万石の大名へと登り詰めますが、若い頃は無名の侍でした。

貧乏な新婚時代。一豊が馬揃え注1のため、駿馬をとても欲しがります。しかしながらお金がないので手に入れることができません。そんな姿を見た妻の千代は「ここが夫の生涯の一大事」と考え、嫁入りの時に親から渡された大切なへそくり十両注2を夫に差し出し、夫のために名馬を買い入れます。

翌年、馬揃えの式でその名馬が信長の目に留まり、恥から織田家を救ったとして大変褒められます。そしてこれが元となり一豊は一気に出世の階段を駆け上がったと言われています。

このお話は史料が少ないため、真偽は定かではないそうです。ですが一豊夫妻はとても仲が良く、夫の為に知恵を尽くし支えていたという話が多く語り継がれています。妻の内助の功によって夫の活躍を支える、まさに理想の夫婦像ですよね。

注1馬揃え…
現代でいう軍事パレード。軍馬を集めてその優劣や調練の状況などを検分する。士気を鼓舞し、併せて敵への示威の効果を狙った。

注2へそくり十両…
現代で換算すると約120万~210万円ほど。

bar01現代でもへそくりをする目的の統計を取ると、「何かあった時のために」という理由が一番多いそうですが、家族へのプレゼントのため、子供の将来ため、など自分の以外の家族のために貯金している方も多いそうです。

家族に内緒でこっそりひっそり貯めたへそくり。
使い道は自由ですが、自分も家族も幸せになれるようなことに使っていけたらいいですよね。